本日は、「歯の根のヒビが原因の腫れ」についてお話したいと思います。

歯肉の腫れの原因にもいろいろありますが、歯の根に「ヒビ」が入って腫れる事があります。

実は、このヒビはとてもやっかいなものなのです。

それは、ヒビが明瞭にレントゲンに映し出されないからなのです。

また、患者さんご自身の症状としても痛みなどがはっきり出ないことが多くあります。

しかし、ヒビが入る事で歯の根の周囲の組織(骨・歯肉)が炎症を起こし、化膿してしまいます。

その結果、歯肉が腫れてしまうのです。

また、急に腫れない場合は「瘻孔(ろうこう)」という、歯肉に穴があいて膿が少しずつ排出されていくので

患者さんご本人も気付かずに飲み込んだり、口臭もひどくなっていきます。

痛くないからと、放置していると隣の歯まで骨の腐敗が拡大して、さらに抜歯しなければならない場合も出てきます。

この写真の赤い線の部分はヒビが入っている状態です。

青い線の丸の部分は、炎症を起こし骨が腐敗した状態です。

2~3年前から、この歯の横の歯肉が腫れたり引いたりを繰り返していたそうですが

強い痛みも無いため、特に治療も受けずに放置していたそうです。

この歯を抜歯した際には、強い腐敗臭がしました。

抜歯した後の骨の部分は腐敗が酷いため、ごっそり欠損していました。

 

顎の骨が大きく欠損する事は、その後の治療上でも良いことではありません。

ヒビが入っているかどうかが確認できなくても、あごの骨が大きく腐敗した状態を確認した場合

早期に治療を開始するか、治る見込みが無い場合はきちんと抜歯をしなければ、

患者さんご本人の被害が拡大するばかりです。

 

この様な場合、当院では患者さんにはよく説明した上で、抜歯するかどうかをご自身で決めて頂いています。

また、抜歯を決断された場合には、その時期を相談して決めています。

同じ抜歯を行うにしても、少しでも腫れや痛みが少ない様に配慮しています。

前もって処置や投薬を行う等の段取りをする事、計画的に行う事も重要と考えています。