歯科 麻酔

院長のコラム:
今回は、歯科医院でうける麻酔について説明しました。最近では、歯科治療時の麻酔に対して、不安を感じられる方が増えているように感じます。実は、歯科治療時の麻酔注射にはコツがいります。それについてわかりやすく解説しました。歯の治療時の麻酔に不安を感じている方は、ぜひお読み下さい。

昔と今では、歯の麻酔が大きく変わっています

『歯医者さんで治療をうける』(歯科治療)というだけで、怖くなってしまう患者さんも少なくないと思います。この『怖い原因』とは、主に「治療中に痛むのではないか?」という事でしょうか?

とかく、歯医者さんでうける歯科治療を想像すると、削ったり、抜いたり、神経の治療をしたりと、痛みを感じる治療を想像したりしますね。それは、当然のことだと思います。これまでの日本での歯科治療は、『歯が悪くなってから(歯が痛くなってから)』歯医者さんで治療をうけるという事を繰り返してきたのですから。

確かに、昔の歯科治療は、削ったり、抜いたり、神経の治療をする時には痛みが生じることもありました。しかし、現在の歯科治療は進んでいて、麻酔をうまく使い、治療中の痛みを無くす方向にきています。なので、歯科治療時には、うまく麻酔を使うことで苦痛なく治療をうけることができるようになりました。

少し話はそれますが、これは、年配のある先生(歯科医師)から聞いたお話です。

数十年前になりますが、当時、歯科医師が不足していて、歯科医院の前には長蛇の列が出来る程、今では考えられない位、患者さんであふれていたそうです。そのため、先生方は毎日慌ただしく治療しており、体を壊す先生が多くいらっしゃったそうです。

この様な状態では、治療の際に麻酔をする時間も無く、仕方なく虫歯を削り始めた事があったそうです。今では信じられないですね。

今の歯科の麻酔は痛くないの?

今の歯科の麻酔は痛くないの?この様な治療体制になってしまったのは、「時代」がそうさせてしまったのだと思います。

この時代に痛い思いをした患者さんは、今でも「歯科治療は痛い→怖い」という意識が刷り込まれているのだと思います。やむを得ません。

ですから、私が歯科医師となって働き始めた頃に、麻酔をして治療を行うと、患者さんから「ありがたい」と言われていました。一昔前は、麻酔は患者さんにとって「ありがたい」ものだったのです。

しかし、こうなるともう一つの心配事が出てきます。
その『麻酔の注射が痛いのではないか?』という事です。
 
実は、歯科治療時に無痛で治療をうけるために行う、その麻酔(注射)を怖がる患者さんが、最近では増えてきたような気がしています。

私は以前から、怖がりの患者さんには、歯科治療をきちんと受けて頂くために、少しでも痛みの少ない治療になるように工夫をしてきました。麻酔の注射においても痛みが少なくなるよう研究しています。

ここからは、具体的に痛みの少ない麻酔について説明していきます。

歯の麻酔の良し悪しは、最終的には歯科医師の技術とコツ

昔と今では、歯の麻酔が大きく変わっていますよく、注射の前にジェル状の「表面麻酔」を塗布したりしますが、これは殆んど効果がありません。ですから、当院では殆んど行いません。

また、「電動注射器」で麻酔を行う方法があります。
この「電動注射器」は麻酔液を一定の圧力で注入する事により痛みを軽減するというものです。しかし、麻酔の注入速度の自動化よりも、実は、微妙な圧力のコントロールは手で行った方が、痛みは少ない気がしています。
当院にも電動注射器を設備していますが、手術の際に特定の部位に麻酔を行う場合に使用するなど、特別な場合に限っています。

ところで「電動注射器」には、こんな難点もあります。この「電動注射器」自体、ある程度の大きさがあるので、針を歯肉・粘膜に刺入する際の微妙な動作を妨げて、結局針を「ブスッ!」と刺すことになってしまいます。これでは、結果的に痛い注射となってしまいます。
それならば、「電動注射器」などの機械に頼るのではなく。歯肉に刺す「針」を吟味した方が効果が高いと考えました。

そこで、様々な製品(麻酔針)を検証してみました。
麻酔針の直径は細い方が良いのですが、あまり細いのも麻酔液を注入する際に障害となってしまうことが分かりました。また、製品によってはバラつきが多くてスムーズに歯肉・粘膜に刺入出来ません。良い注射針が見つかっても、術者が無頓着に扱うのであれば効果は期待できません。

結局、私が出した結論は、歯の麻酔を行う術者(歯科医師)の麻酔技術によるものが大きいということです。そこには技術的な「コツ」があるのです。もちろん、麻酔の際の技術的なコツなどは、専門書には載っていません、これは各々の先生方の『努力次第』ということになります。

歯の麻酔に不安のある方はご相談ください

歯の麻酔に不安のある方はご相談ください歯の麻酔で、特に注意が必要なのは前歯の治療時です。前歯を治療する際の麻酔は、歯肉の神経の関係から、奥歯よりも痛みを感じやすいのです。前歯の麻酔時は、特に注意と気配りが必要です。

また、歯肉・粘膜の状態の個人差も大きく影響します。患者さんによっては、歯肉・粘膜の状態が違いますから、針を刺入しずらい場合もあり、痛みに関係してきます。

ただし、人それぞれですから、全ての患者さんに無痛治療は不可能と言われています。これだけはご理解ください。

これまで、一般的な歯科治療時の麻酔の問題と、私の研究と工夫について解説してきました。これらを踏まえ当院では、麻酔の注射の前に「ある処置」をする事にしています。

これをすることで、殆んどの患者さんから「痛みを感じない」「いつ針を刺したの?」などの評価を頂いています。この処置は、とても患者さんに評判です。特に前歯には効果が高いと実感しています。

ただし、この麻酔法には時間がかかります。ですからお急ぎの場合は、いつも通りの方法で麻酔をした方が早く治療する事が出来ます。比較的、通常の麻酔の方法でも患者さんから「大丈夫!」と言って頂ける事が多いので、安心して治療を受けて頂きたいと思います。

特に、歯科治療時の麻酔に不安や苦手意識のある方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。正しく診断し、患者さんの苦痛を最小にできるよう、最善を尽くします。